「また搾乳、大変ね?」
 敵の拠点を捜す最中に、なにやら話し合いに時間を割いていると聞いたので、その会議を行っているイーグルの秘密基地を訪れる。
「先輩、聞きましたよペギーさんと対立してるって?」
 会議はもう終わって、その控室のひとつに数美さんをみつけたので、ちょっと声をかける。
「鶴姫、七海も……」
 少し驚いた様子だったが、目の前に居るのが二人の忍者なのですぐに納得されたようだ。
「なっとくしろって、言いに来たの?」
「別に、私達は忍者ですからね、闇に潜んでます、戦闘部隊のつもりもあるし暗躍がメインとは思っているのですけど……そういう裏方が得意の筈のヨーコがみつからないんですよ ザンギャックTV局の中にもいないし……何処に居るのやら?」
 仲間にしようと思っていたヨーコが見つからず、ここのどちらかのメンバーになっていたらという事で立ち寄ったのだ。
「専門のあなた達が知らないのを、私が知ってるわけないじゃないでしょ」
 七海が真剣な顔で……
「私は何をしてでも、現状を打開したいです親族が名誉市民になってしまうと、ピアスが有ろうが無かろうがが惨めな自分を晒してしまっている以上どうにもできない、名誉市民の記憶も含めて無かったことにしたい、肉体的な解放だけではどうにもならない事が有ります」
「ええ……」
 七海は数美の胸を指さして……
「そういう状況にされてるのも、回復させないと」
「おかあさんになった時の練習じゃない?」
「鶴姫さん!」
 茶化した鶴姫を叱るような目で見た後、七海は、
「ペギーさんも、弟さんが名誉市民になっていて、開放される中にご自分を入れてないのだと思います……」
「!」
 ペギーさんの現状を語る、家族が名誉市民になってしまっている苦悩を共有しているのだ。
「じゃあ、退散しますね先輩、裏方として言わせて頂ければ……全員助けたいと会議している間に犠牲者が出てより多くを助けられない状況になるのは、本末転倒だと思いますけど……先輩が居場所を知らなかったヨーコはどうやって助けるんですか?」
 本来忍者である彼女は、命じられて任務を遂行するのが務めだから。