鶴姫が小夜のマンションの自室に入っていったとき、その場は澱んだ空気に満ちていた。
「魔進戦隊キラメイジャーのキラメイピンク、大治小夜さんね」
 浣腸器の太い管がアナルに刺さったままの小夜に対する言葉としては違和感があると言わざるを得ない。
「貴女は……」
「私は忍者戦隊カクレンジャーのニンジャホワイトこと鶴姫」
 そして、そのままで会話は進んでいく
「大治小夜です」
 本人が淀んでいる。
「早速だけど、小夜さん……貴女の力を貸してほしいの…」
「私の?……こんな私の?」
 返事も自虐的だ、自分の価値に自信が持てなくなっている証拠と言えた。
「そうね、今の現状が良いとも思ってはいないでしょ?」
 鶴姫は多くのヒロイン達を救うべく、小夜に協力して欲しいと勧誘する。
「救う……救われる……誰がだれを? 命を救う事には協力します……そう、命を救うために私は何でもします……」
 何かに必死に立ち向かい、そして立ち上る声をもらえた。
「ありがとう」
 それでも、立ち上がってくれた事には変わりが無い、この一歩が彼女自身を救えたらと鶴姫が願うのだ。