数日後には、言われたとおりその場には複数の女性が連れてこられている。
「ああ……」
 悲しげな声が漏れる。
「くっ……」
 助けたい、自分も助かりたい鶴姫だって現状を受け入れがたく涙する一人でしかないのかもしれない。
「あ!」
 コロンッ
 各人の股間の下にと置された樋の中を産み落としたばかりの卵が転がっていく。
「あ!ああ!」
 人は卵を産まない、ほ乳類は赤ちゃんを胎内で育てるのが生物としての摂理。
「ん!」
 それを変えられてしまった女たちが産み落とした卵が、いつの間にか市場に流れている。
「みんな喜んで買っているらしいぞ、栄養たっぷり完全食料なんだろ?」
「そうよ……そういう事になっているわ……」
 それは、鶏卵の事なのだが……