作戦地点の川辺に到着した桃と樹里は、制服の下に着込んでいた水着姿をお互いに見せつける様に剥き出しにする。
「始めるわよ」
「ええ、出来る限り自然に楽しそうにね!」
 ビーチボールを取り出すと少しわざとらしい程にはしゃぎ始める二人、其処へ狙い通りに美女の匂いに誘われてオンブオバケが姿を現た。
「きゃぁあああ〜やっぱりわたしよぉ」
 長い舌で拘束したのは樹里の方だった。
「ちが、そっちじゃないでしょ」
 桃は必死に樹里ではなく、自分の方に誘おうとする。
「ここは、私に任せて、早く作戦通りに」
「何を言ってるの樹里!」
「仕方ないの、これは美女の役目なんだから、そう私の役目なの!」
「きぃいい!」
「さあ、私の事は構わず、桃は先に隊長達と合流して!」
 樹里を連れて飛び去るオンブオバケに、桃は仕方なく先ほど脱いだ制服を持ち、国際空軍の隊員が運転する車に乗り込む。
「追いかけて、隊長にも連絡」
 車内の後部に乗り込むと水着を脱ぎ急いで制服に着替えはじめる桃だった。
「待ってて、樹里、後で必ず助けるから……」
 本心とは違う言葉が出て来たのは目の前にいる隊員への配慮であった。