二人して囮になったにもかかわらず、逃がしたとあっては面目が絶たない。そんな事を考えていたら突如として車両が急停車した。
「な、どうしたの?」
体勢を崩したまま、隊員に声をかける。
「いえ、中尉……お着替えするのでしたら、車を止めた方が良いかと思いまして……」
「大丈夫よ、気にしないで慣れてるから、出して」
いらない世話とばかりにそう命じると、水着を脱いでいく。
「いえ、これは気遣いでありませんでね……」