ゆったりとした空気と、優しい日差しが降り注ぎ、自然全てから愛されているような、そんな気持ちになる場所。
「兄さん、俺……ここが大好きだ」
「ああ、俺もだ……」
 民族衣装のような出で立ちの二人の男は、険しい断崖の上でそう語らっている。
「誰にも汚させない、そう誓っているんだ」
「なんだよ、リョウマ今更言われなくても知ってるぞ」
「兄さん……ちょっと良くない話を聞いてしまったんだ、だから悩んでいる」
 リョウマの表情はずっと真面目だった、とうぜんヒュウガにも分かる。
「オークから聞いてしまったんだ……」
 それ以上は話すべきか、リョウマは口ごもる。
「俺には、言えないのか?」
「う……そうじゃないけど」
 ドドーーンッ
「なに?ギンガの森の結界が!」
「入ってくる敵はいる、要は退ければいいだけの話だ」
「サヤ……」
 二人が目撃したのはかつて巨大化したように、大ききくなったサヤとザンギャックの尖兵ズゴーミンだった。
「助けにいかなきゃ」
「星獣がいない時に……」
 二人は崖を一気に飛び降りていった。