「う……」
 舌を伸ばして、団子に触れる。
 ペチャ……
「あ……」
 口の中に広がる、異様な匂いと味に直に離してしまう。
「おい……」
 ゴーミンの声は有無を言わせない響きがあった。
 カプッ!
 意を決して、そのものにかぶりつく。
 ヌチャ……ヌチャ……
 お餅の感触が絶望させられるほどに歪められている、小さい時から馴染んできたはずの串団子を一気に嫌な記憶へと塗り替えられていくようだった。
「美味しいだろ? よ〜く、味わって食えよ!」
《食べたくない……でも、食べないと……》
 想いでも何もかもをぐちゃぐちゃにして飲み込んでいるようだった。