「さあ、帰ってお兄ちゃん達にマツリちゃんの味がする料理を出してあげてね」
 衣料品店から、いつもマツリが着ていた上下を揃えると、買い物に出た時と寸分違わぬ身なりにして送り出される。
「おじさん……」
 商店街の人々の手には、マツリに装着された貞操帯の鍵が握られこれ見よがしに提示されている。
「これからは、この鍵を持っている人間にも好きにさせるんだぜ?」
 今更のようにそう言い含められる。
「はい……」
 商店街を後にするマツリは、なんでこうなったのか理解できない……
 だが、おじさんたちは知っていた、マツリが美しいのがいけないのだと……

「少し話があるのでが?」
 ゴーミンに声を掛けたのは、商店街で不動産業の主人だった。
「ん?」