「ああ、手伝いますよ」
 そう言って詩織に寄り添うように一人の下宿生が立ち上ると。
「みんないい子で、俺は本当に嬉しいよぉ!」
 と草太朗は歓喜の声を上げる。
「あ、ありがとう……」
 しかし、詩織の内情は真逆だ、声に出せないのでこの場では絶対に止めてと下宿生に対して目で訴えるしかない。