「これ真ん中に置けばいいですか?」
いちいちお盆の上のお皿を詩織に確認してからテーブルに並べて行く。
「ええ、みんなで取りやすい用にお願いね」
しかし、彼はその合間にちらちらと詩織のスカートを持ち上げるビール瓶の存在を確認していた。
「わかりました、いつもありがとうね詩織ちゃん」
表面上は素直な下宿生を演じ続けている。
「しーちゃんは皆の母親代わりなんだ、からもっと甘えて良いんだぞ」
「「はい、もちろん甘えます!」」
草太朗さんの言葉は違う意味で彼らには届いているのを詩織は理解していた。