「いや、無理よこんな事無理だわ」
 必死に抵抗する詩織に
「社長に全部ばらしても良いんですよ」
「ああ……」
 ちょっとした抵抗もむなしく詩織は宴会の場へと連れ出された。
「草太朗さんおかえりなさい」
「しーちゃん牛尾君16号は病気じゃないってさ、ホッとしたよ」
 飲み会の輪に加わりながらも、結果をちゃんと報告してくれる。
「本当に良かったわ」
 日々草太朗さんに話せない事が増えて行く詩織とは大違いだ、考えていると草太朗さんに詩織は相応しくないのではないかという考えにまで至ってしまう。