隣人の事務所に着て来た詩織の作業着は何時の間にか無くなっていて。
「ど……どこに……せめて服を」
 クリトリスにに付けられた紐に引かれるまま昼のただなかを歩かされる。
「前にも学生たちにこうやって、連れられていただろう?」
「え?」
 まさかの事態は起こっていたのだ、見られていた。
「もうすぐ着くから、大人しくね」
「ひん!」
 クイッと紐を引かれる、その痛みに足が前に進む。
「ま、まさか……」
 連れて行かれたのは、草太朗さんも所属する組合の中心にある商店街だった。
「人が、人が居ます」
 牧歌的な景色の中で、珍しく家々が集中している区画だった。