「こっちにも美人ビール頂戴!」
「こっちにも一杯!」
 店は開店時間から大盛況だった。
「美人ビール、ご注文ありがとうございました……」
 詩織は注文を注文を受ける度にそのテーブルの脇に立って、直接ジョッキに抽入したビールを逆流させて注いでいく。
「詩織さん、こっちもお願い!」
 町内の顔見知りが全部集まっていると思えるほどの大盛況だった。