「彼らの日常を見るのも仮親の務めだよ」
彼らを信じて疑わない草太朗さんはそう言って送り出してくれたけども、この学園祭はきっと詩織にとって今までよりもとんでもない事態になってしまう様な不安を感じるのだった。
「映研の展示は……ここなのね、」
『牛の未来についてのドキュメント』
そこに映されているものが想像がついてしまうタイトルだった。
「まさかね、こんなに多くの、しかも一般の方も訪れる様な場所でなんて」
そう呟いては、必死に自分を落ち着かせていた。