「ただいま」
「しーちゃん!」
 下宿生に肩を借りながら帰って来た詩織に、驚いたような声を上げてしまう草太朗だったが
「文化祭を回ってる最中に詩織ちゃんが具合を悪くしちゃって」
 すいません、と頭を下げながら詩織より先に下宿生が状況を説明する、もちろん理由が牛とのセックスをした事とは言わないが。
「招待した僕に責任がありますから家へお送りします!」
「ああ、頼んだぞ! しーちゃんしっかり休んで良いからね」
 心の中で舌を出しながら彼は次の手を考えていた。
「社長の許可も出たし、もちろん休ませないよ」
 そして詩織の耳元でそう囁くのだった。