「あなた、新聞を読みながらは良く無いわよ」
「分かってるよ、このトーストが来るまでさ」
 普通の家庭の普通の朝食風景、七海としても憧れていた景色がそこにはある。
「七海さん、せがれだけ世話しとらんと儂にも紅茶をお願いするぞ」
「何だよ親父、愛しあってる夫婦なんだから良いじゃ無いか」
「いやいや、それはそうじゃが……父として儂も大事にしてほしいのじゃ」
「お義父さま」
「七海はちゃんと親父にもしてくれるよ」
「だと良いんじゃがのう」