コンコン……
魔法に対する集中が途切れたのは、来客を告げるノック。
「誰かしら?」
呼び鈴が鳴らなかったのを不思議に思いながらも玄関まで移動する。
「ジジル」
廊下の姿見に魔法で玄関の外を映して確認すると、そこには一人の少年が立っている。
「誰かしら?」
見覚えのない少年は、子供の頃の魁を思い起こさせる。
「いらっしゃい、あれ?」