「さてと……」
 店主はゴソゴソとポケット内を漁ると一枚の紙を引っ張り出す。
「おお、あったあった」
 つま先立ちに吊られている深雪の位置からは、それが何であるのか見えなかったが、それはすぐに判明した。
「読みな」
 深雪にかざされたからである。
「え?」
 そして、深雪は驚かざるを得なかった。
 そこにはマジトピアの言葉で書かれた呪文が書かれていたのだから……
「これを、どこで……」
「そんな事はどうでも良いだろう、奥さんが読めば解るそうだよ」
 知らない魔法だった、日本では同じ発音にしか聞こえない呪文でも……
 マジトピアの言葉で書いてあれば実は全然違う言葉だったりもする。
 無限にある、組み合わせとエレメントによって繋がる天空聖者も違い、当然発動する魔法効果も変わる。
「不用意に手を出して良いものじゃないのよ……魔法は勇気が」
「だから奥さんが勇気出して、これ読めよ」