ペチペチ
「ん……」
 ペチペチッ
「起きなよ」
 深雪の意識が表層に帰ってくる。
 身体が動かないのは、縛られているからでは無く異常なまでの疲労の所為だろうか。
「あ……」
 一瞬にしてよみがえる。
 商店街店主達による陵辱劇。その一つ一つがまだ身体の其処此処でビクンビクンと疼いている。
 けして冷めない熱が氷のエレメント白の魔法使いの胎内に脈動している。
「行くよ」
「え?」
 まさか、まだ終わりではないと言うことだろうか。
「か、帰るのよね?」
 少年の顔は、ずっと笑顔のままだ。
「魔法使いって頭良くないと出来ないと思うよ、僕はここを通るって言っただけで目的地って言わなかったでしょ?」
 そう言えば、この商店街の前まで来たときに少年が言ったのは……
「さて、解ってもらえたなら行くよ」