「誰ですか?」
マジトピアで力を授けられた深雪は、その力の行使に責任を負う身でもある。
「記憶を無くておいでの様ですので、我らが」
灰色の男たちが近寄って来る。
「な……なに?」
麗が不安そうな声を上げる。
「大丈夫だから、先に行っている蒔人の所まで、翼と魁をお願い」
そう言って、乳母車を幼い娘に託す。
「覚悟は出来たようだな」