「ほら向こうでも行っているぞ」
 十字架に縛り付けられたまま、目の前の空中に映像が映し出される。
「芳香! 麗!」
「あの二人にも大量のミルク注入の後で、何通りかの薬品を試してみる予定だ。」
 膨れ上がった腹部の辛さは深雪にだってわかっている。
「まって、実験は私でして……お願いです」
 二人の代わりに自ら実験台になる事を宣言してしまう。
 芳香と麗も、家の地下で並んで搾乳しては、チーズ製作をさせられていたのを覚えてはいる、きっとここで深雪が何を言おうと状況は変わらないかもしれないのだけど、それでも可愛い娘たちの姿につい口を突いて出てしまったのだ。
「良い心がけだ」