「姫様、今日はもう使いものにならねぇから代わりを申し出てくれて助かるぜ」
 ゴーミンが嬉しそうに茉子に話す。
「最初から私と姫さま……全員を使い潰すつもりだったのね……」
 姫さまの代わりになると必死になっていた茉子だったが、ゴーミン達は最初から姫さまの代わりにするつもりは無かったのだろう、むしろ代わりになろうとする茉子の必死の言葉を待っていたのだ。
「さぁお姫様の代わりになるんだろ? 自分から浣腸器を受け入れるんだな!」
 この場は、牛舎とは違い衛生的で綺麗な機械が無機質に生産性を上げているようだった。
「ザンギャックの母乳チーズ先駆者だからな! ここで新しいナノマシンを使って生産性を上げてやる、その管から最初にナノマシンを抽入出来るようになっているのだ」
 全てが茉子たちから尊厳を奪い取る様に出来ている。
「もう……やるしかないのよね……」
 ゴーミンに好き勝手言われながらも、茉子は浣腸器の先端を見つめながら覚悟する、そう自分から今よりも大量のチーズを精製する為のナノマシンを受け入れようとしていた。