「第○回卒園式……」
「もうこんな時期なんですよ、子供達の成長と時が経つのはいつも早いですね」
 毎日毎日「搾乳、種付け、出産、チーズ」そのどれかの繰り返し、日付を確認する手段もなく既に茉子の母体には時間感覚はなくなっていた。
 卒園式……人畜としてではなく保育幼稚園の先生をしていた頃は、園児達の成長を感じれるこの式に出席できるのは寂しさと同時に誇らしさもあった。
 だが、今こうしてザンギャックに拉致された身で全裸でこの式に出るとは思わなかった。
「本来人畜は正式には教員扱いでは無いので卒園式に出られないのだが園児達の根強い要望があってね、子供達の意思を尊重したのだよ」
 園児達が、そこまで好いてくれる事に対して温かな気持ちになった。
「茉子先生、園児達に愛されますな」
 園長先生がそう呟く、だが全裸でリードを引かれながら式に出席する様子は本当に愛されているのだろうか……
「茉子先生前に立って子供達に思いを話してあげなさい」
 園長先生にそう言われ茉子は前に立った。