スタッ……スタッ……スタッ……
真昼間の大通りをゴーミンにリードを引かれながら四つん這いで歩き続ける。
「おい……あれ! 見ろよ!」
「動画撮っとかね?」
すれ違う人達全員が物珍しそうに茉子の情けない姿を収めようとしていた。
誰一人助けようとする人は居なかった、この場所でもザンギャックの根回しがもう既にされていたのだ。
(お願いだから見ないで……!)
全方位から感じる様々な視線に心の中で見ないように願う事しかできない、それが無意味だったとしても。