スッ……
筆が茉子の肌の上を走る。
「ん……」
冷たい感触の後で何かが走っていた。
「見本はあるからね……この字を書いてみようねぇ!」
「「はぁい」」
「茉子先生からも一言ないですか?」
いつの間にやらゴーミンが先生のように振る舞っていたくせに、時々思い出させるかの様にそう振ってくる。
「あ、丁寧にしっかり見本を見ながら書くのよ」
茉子の位置からでは見本に何が使われているかは分からないが、どうせろくなものじゃないはずだった。