週に一度散歩と称して、連れ出されては彼方此方で恥ずかしい想いをさせられ、何度も死にたくなる。
「今日は散歩無しで、付いておいで……」
 牛小屋で暮らすようになってからは、茉子は人の世界に暮らしながら、隔絶された気持ちでいた。
「茉子ちゃん! 久しぶり!」
「ことは! まさかとは思ってたけど……まさか」
「えへ……捕まってしもうたんよ」
 きっと、話したくない事だらけだろうと思えるのに
「ああ、ことはは変わらないね」
「進歩無いねぇうち……」
 それは、茉子も同じだ。
「えっと、今日はケーキ作りをします、皆さんにも手伝ってもらって色々と開発しなければ行けないので頑張りましょう」
 そう口火を切ったのはゴーオンジャーの早輝さんだった。
「茉子ちゃんお料理上手やから、呼ばれたんやね」
 そうじゃない事は直ぐにわかった……