「じゃあ二人とも脱いで胸見せてよ、大きくなってないからと言って母乳が出たら牛怪人さんに負けたって事だからね!」
 何と言う事だろう、茉子の胸は普段から母乳が出でします、卒園生なら当然知っている事を言って茉子を追い詰める。
「そ……それは」
「はい! 終わりぃ 先生の癖に言い逃れとかカッコわる!」
 絶望感が増していく、ましてや毎日のようにこの言葉で躾されていた保育幼稚園での毎日を思い出す、この少年はあの頃から言葉がきつく、茉子もついつい言いなりになってしまう癖が付いていた。
「ほら! ここは牛小屋なんだ、突っ立ってないで早く人畜らしい格好になりなよ!」
「先生達は負けたんだよ! 負けた人達はここに居るのがルールだからね」
 言葉が魂に響く、ずっとこの子供達は茉子の飼い主なのだから、人畜として命令されれば身体の奥が反応する、呼ばれていた子供達との相性が悪かったと言わざる負えない、その現状にどんどん悔しさが込み上げてくる……。
「ま、茉子さん!」
 理不尽な現状に不満を感じずにはいられなかったエリの声が聞こえるが、もう茉子にはどうにも出来ないのだ……。
 エリの気持ちを当然茉子だって分かる、まだ立ち向かう事も抗う事も出来なかった上で相手の言いなりになる事に納得できないのは茉子も同じだ。
 でも……茉子は彼らに躾けられた人畜だった、こんなアクシデントは想定していなかった……