そこに並べられた袋の中には純白のチーズが水溶液に浮かんだ上体で詰められていた。
「ね、茉子先生の身体でチーズを作れたでしょ」
「……あ……はい……」
 言われた事の意味はわかっても理解してはいなかった。
 拒絶したいのに何も出来ない、それは絶望と言う言葉かもしれない。
「大体、100って所かな、一袋1.5ザギンくらいで販売すれば、毎週日本円で54000円ほどだね、
それに毎日のミルクの売り上げもあるから一月で茉子先生が生産する乳製品で610ザギンくらいになるかな?」
「私って……」
 もう、人じゃないことは解った。
「茉子先生は、茉子先生だよ。な!」
「「ああ!ちゃんと世話してあげる!」」
 子ゴーミンの言葉に乗っかる子供たちは、以前茉子が知っていた子供と姿かたちが同じだけの異星人に見えた。