この日も丈瑠によって提案されてから、時折志葉家に集まっての剣術とモジカラの鍛錬の日、基本的にそれぞれがそれぞれの道で生活しているので日帰りが基本とされているが、いつ如何なる時に外道衆が湧いて出ても対処できるようにと提案されたのだった。
「風に当たって少しはマシになったか?」
 寂しそうな雰囲気に気づいたのか丈瑠が声をかける、相変わらず無愛想だけど今思うと初めに比べればかなり丸くなったと思う。
「うん、ありがとう大丈夫……みんなの足引っ張ったね」
「気にするな、そうか、もうすぐ昼食だが午後は無理するなよ」
 自分の鍛錬は淡々と熟し、シャワー上がりに茉子を気にかけてくれる丈瑠の不器用な優しさが感じられて、思わず茉子も微笑んだ。