「よし、出来たよ!」
 早輝さんの掛け声で、みんなの手が止まる。
 作業台の上には元が精液だったとは思えない色取り取りのお菓子が並んでいた。
「美味しそうだよね、千里ちゃん」
「なに言ってるのよ、あれザーメンよ」
「うえ……」
「でも、上手なもんやなぁ 流石はパティシエさんやね」
 早輝さんはレジェンド大戦さえなければ今でもそう言う仕事をしていただろうって事だった。
「ありがとう……でも、大丈夫かな?」
 バチッ
「あ……」
「よく出来たな、これでヨーコも飢えずに済むだろう」
 電気ショックで早輝さんがその場に崩れ落ちていく。
「「何をするのよ」」
 流石にこういう時には、信頼が置ける仲間たち。
「ああ、早輝には先約がある、連れて行く手間を省いただけだよ」
 戦える訳じゃないのに、殺気は出ていたらしい。
「「本当?」」
「ああ、大丈夫だ」
「所で、ヨーコって誰だ?」
 聞き覚えが無い、レジェンド大戦で顔合わせがなかったのは、
 ゴーカイジャーと、単独で戦っていたゴセイジャーくらいのはずだ。
「その内会えるだろうさ、今は知らなくても良いんじゃないか?」
「そんな事はない、教えてもれらひっ!」