「姿を見ればわかりますな、確かに変態でしょうね」
「しかし、良いのですかな?」
 壮年男性は茉子の身体を値踏みするようにジロジロと観察している。
「経済効果は計り知れないものがあります、是非とも正式に許認可を……」
 何の話をしているか、少しだけわかってきた。
「こちらは農林水産大臣の○○○さま、こちらは知事の○△□さまだ、しっかり接待しろよ」
「え?」
「TGPを無理矢理に締結された時はどうなるかと思ったが、こういううま味というか新事業が興せるなら」
「良いんじゃないですかね……法整備に関しては関連法案でひとまとめにで行けそうですし」
「条例に関しても任しておいて下さい、議会は今こちらの味方ですから」
「え?」
「茉子先生をTGP関連法で、ちゃんと家畜として統制出来るようにしてもらうだよ、あとでこの園がお咎めにあっても困るからね」
「な、なんで?」
 言われている意味が分からなかった。
「理解できなくても良い、その身体は極上らしいね……」
 この人たちは、同じ日本人なのに、同じ地球に住む人間なのに……
「では……」
「なんで、私を家畜にしてもらうために……私は身体を……」
「それが地球人だという事さ」
 ゴーミンがこの部屋に入って初めての言葉はそれだった。