「ほら、こんなゲートだっただろ?」
 中を勝手に歩き回って、その場所にたどり着く。
「ちょっと、父さんどうして母さんを……」
「仕方ないだろぅ 一人実験用に置いて行けと言われたら、古いのを捨てるのが当然だろ」
 絶句するしかない父の言葉に、それでも反抗できないでいる茉子は自分が情けなかった、しかもそれを見越したようにことはは後ろ手縛りされているのに茉子の両手は自由にされているのだ。
「帰ろうか? 二人とも」
「さっき、姫が居ました……せめて姫も助けてから!」
 父に対する言葉、でも元々父は侍の家系じゃない。
「何かに使われていただろう? 代わりをよこせと言われたら父さん困っちゃうからなぁ 大事な二人を捨てられない」
「でも姫は!」