「五月蠅いそ!」
バツンッ!
「「「え?」」」
「な! 何故だ? これから俺たちはもとの世界に帰るんだぞ!」
急に、システムがダウンしたようにゲートが霧散した。父さんは只々狼狽えて閉じられてただの壁になってしまったゲートを叩いている。
カランッ……
そして、その瞬間にリングが地に落ちていた。
「なんなん?」
その微かな音に気が付いたのは、ことはだけのようだった。