「誰……か……名前などいらないな、唯一人の消耗品だ」
 そこに居たのは、ゴーミンが一人、いやさっきまでルカのお腹の中に居たはずのゴーミンの子供も彼が抱えていた。
「なんで……私を?」
「ん? 自分達の子供を抱えている女を殺させるのもどうかと思ったからな」
「それで、命令違反するわけ?」
「もう……ザンギャックはおしまいだ。殿下が亡くなって、そして陛下までがこんな辺境までいらっしゃった」
 ルカも知っている、そしてアイムはそのギルの血を引いた子を産まされたのだから。
「でも……跡取りだって」