「ああ見えて陛下は殿下を溺愛していらした、今の陛下は冷静さも冷徹さも欠いておられる。
 この地球がザンギャック最後の地となるのは明白だ。インサーンは所詮科学者でな、
 あいつは状況が見えていないんだ、血筋とか大事かもしれないが、それが全てじゃない」
 ゴーミンは抱えている子供を愛しそうに見ながら。
「あなただって……その子を……」
「親としては、ちゃんと育って欲しいさ。
まあ消耗品たる我らにも少しばかりの人情という奴だ……この子達ごとインサーンはあんたを殺そうとした」
 だから、裏切った。
「私だって、出会えば闘うのよ! 何人もゴーミンを倒してきた」
「当然だ、それがわれらの契約だったはず……
 遠い星で、消耗品と貧民屈の住人、少しくらいの旨味があっても良いだろうってな」
 昔、妹達の安全と僅かな食べ物を貰った。
 それは一方的に陵辱されたあとで……
 ピアスで管理され呼び出されるたびに、陵辱され、そして物資を受け取っていた。
「それは……一方的に……」
「そうだったな……」
 同じ記憶を持つもの同士、異様な空気になる。