「ですから、この子がいれば……」
「おかしな話だな技官よ、わが跡取りにはワルズがいるではないか……そしてそなたの職務はその補佐ではなかったか?」
 緊張が空気を更に重くした。
「あ……はい……そうですが、いざという時の為に……」
 インサーンの予定通りには事は進んで行かない。
「我は、後継者争いという不毛な諍いをザンギャック帝国内に起こすことを好まぬ……
 確かにワルズにはまだまだ至らぬ事は多かろう……
 しかし、それを補佐し教育するのがそなたやダマラスの職務ではないのか?」
「はい……」
「そうだょお前が作るものが当てにならないから、グレートワズルまで送ってやっただろ?」
 決戦兵器は、既にない……