「おもいっきり、青春していってくれ、宇宙海賊!」
 ナビィのお宝ナビゲートで諸星学園という所にやってきたルカたちを待ち受けていたおっさんがそう言った。
「おい、俺たちはメガレンジャーの大いなる力を貰いに来たんだ、あんたがそうならさっさと出しな!」
「儂は大岩巌、メガレンジャーならしっとるよ」
「早く出せ!」
 そのおっさんは、いきり立つマーベラスなんて気にも止めずに。
「だから、今日一日だけ、諸星学園の生徒になれ……ここがどんな所か教えてやる」
「え?」
「健太たちが守ろうとしたものをな」
「おーい、先生!」
「健太、今からこの海賊は転校生だ」
「へ?なに始めたんだよ」
「良いから、制服に着替えさせた後でデジ研のメンバーで案内してやりなさい」
 新しく来た男とおっさんが何か打ち合わせをしてるみたいだった。
「ねぇマーベラス」
「ん?」
「健太ってメガレンジャーなんじゃないの?」
「よく分かりましたね、ルカさん!」
 その様子を熱い視線でみていたはずの鎧がいきなり大声で割って入るものだから、一気に視線が集中する。
「この方こそ、メガレンジャーのメガレッド!伊達健太さんです、いやぁはじめまして!」
 もう、健太とかいう男の脇まで行ってうれしそうに握手してる。
「こたらこそ」
「そりゃ話が早い、さっさと大いなる力をよこせ」
「ダメだな」
「そうですよ、マーベラスさんそんな失礼な言い方」
「どんな言い方しても結果は同じだろ?」
「そうでもないが、先生が言った通り、一日転校生をしてもらってからだな」
「なんでだよ」
「おやぁ大いなる力はいらないのかな?」
 この展開、前にもあった気がする、そう……たしかカーレンジャー大いなる力の時だ。
「分かったよ、さっさと制服よこしやがれ」
「おう、俺たちと青春しようぜ!」
 まさかまた、役に立たない大いなる力なんて事は……ルカの不安を余所に、更衣室で制服に着替えさせられた。
「悪くないかもね」