「相手は、後ろにいるヤツだ。」
 振り向いた美月の目に入ったのは犬だった。
「そんな……」
 抗議の声を上げようとする美月をゴーミンが睨みつける。
「拒否すればどうなるか解っているだろう。」
 言葉を飲み込み、うなだれる。
 美月に反抗の意思がなくなった事を確認し、拘束されていた手が解放されてマイクを渡される。
「ちゃんと、お前の口から報告するんだ。」
 裸の美月が現れた事で静かだった生徒達はザワツキ始めていた。
「何で青柳が……」
「何が始まるんだ……」
 その視線は美月へと集中していた。