美月は生徒達を見る事が出来ずに俯いていたが、覚悟を決めて顔を上げると、朝礼台の周りに設置されているカメラに意識を集中させる。
「本日は、私の為に集まっていただきありがとうございます。」
 美月が挨拶を始めても、生徒達のザワツキは収まらない。
「私は栄えある宇宙帝国ザンギャックの現地慰安婦として採用され、この身を捧げて活動を行なっています。」
 かつて、教え込まれた慰安婦としての挨拶を口にする。
 ザンギャックの名前が出た為、生徒達は一瞬静まり返ったが、現地慰安婦になったと宣言した事で、敵意が一気に美月に向かう。
「なんだと!!」
「この裏切者!!」
「恥を知れ!!」
 美月に対する罵声は生徒だけでなく、教師からも上がっている。
 収拾がつかなくなりそうなほどの罵声を、ゴーミンの放った銃声が場を静まり返らせる。
 美月は泣き出しそうになるのを堪えて、続きのセリフを言う。
「今日は、私のザンギャックの慰安婦としての活動を……私のAV撮影の様子を実際に見ていただきたいと思います。」
 美月の後ろにいた犬が我慢できないとばかりに、美月の脚を舐め始めていた。