「初めは良く似た他人が、お前の名前を騙ってんじゃないかとも思ったんだぜ。」
 もう美月は動けなかった。
「わぉ♪ 本当にノーパンじゃん。」
 スカートが持ち上げられ、性器があらわにされる。
「クリトリスにピアスまで着けてるぜ。」
 周りの不良達が嘲笑う。
「まさか、学校のアイドルが裏物AVに出てるとはなぁ……」
 男がニヤニヤ笑って美月の顔を覗き込む。
「何が……望みなの?」
 涙目で男にたずねる。
「俺達にも、エロい事させてくれよ。」
 予想通りの言葉。
「大好きなんだろ?エロい事されるの。」
 AVの撮影でいつも言わされているインタビュー、『エロい事をされたくてAVに出ている。』『仕事じゃなくてもエッチな事をされたいと思っている。』
「それは……」
 本心ではない。
 しかし、美月の本心とは関係なくそう言わせ、そう思っているように映るカメラ。
 一般人の彼らにらとうてい理解できない不思議な道具。
「だから、普段からそんな格好でいるんだろ?」
 何も言えなくなってしまう。