「うわぁ……やわらけぇ……」
 制服の上から胸を揉まれても、その手を払い除けることも出来ない。
「ノーパンって事は、コッチも……だよな?」
 ノーブラである事を確認され、俯く。
 ここまでされても抵抗しないでいる事が、美月の状況を表している。
『もう、美月は逆らわない。』
「ふうん?」
 俯いた美月の前髪を除けるように顔を上げさせる。
「きゃ!?」
 不意に明るくなった視界に戸惑う美月。
「お前、強いつもりで、実は自信がないんだろ?」
「な!!」
 一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。
「眉が八の字になってるぜ。」
 男の目の前にある美月の眉は自信なさげに垂れている。
「泣きそうになるのを堪えてる。そんな感じだ。」
 気に触る事を言われる。
「その表情を隠す為にそう言う髪型にしてるんだろ?」
『そんな事はない!!』とは言えなかった。
『いつの間にかそうなっていたのかもしれない。』
 そう思ってしまったから。