美月は微笑むと、2人とは違う方へとヨタヨタと走り出す。
「い〜ち、ぜ〜ろ!」
 リーダーがカウントダウンを終え、美月に向かって歩き出す。
「ほらほら! ちゃんと逃げないと、すぐに捕まっちまうぜ(笑)」
 いたぶるように、わざと美月を捕まえずに、ゆっくりと追いかけていく。
『今にゃ!』
 不良達がその様子を笑いながら見ている隙をついて、亜沙子を抱えると走り出す2人。
「な!?」「待て!!」
 不良達が追いかけようとする。
「く!!」
 その瞬間、美月は覚悟を決めてダッシュすると、不良達の前で行手を塞ぐ。
「!!」
 無理してダッシュした反動が、その場で零れてしまう。
「おっと!」
「ひゃっはぁ もう限界かよ」
 男達は噴き零れる様子をより間近で観ようと美月のアナルを座り込んで覗き込む、結果としてそれは足止めとして機能したのだった。
『後は、頼んだわよ……』
 その場で崩れ落ちる美月の肩を、征次がが叩く。
「自己犠牲のつもりかよ、下らねぇ……」
 征次には誰かを守ろうとする女の行動は全て読めている、その顔には余裕の当然の笑みが浮かんでいた。
「零したんだから、最初からやり直しな! 亜沙子なら1リットル入れてもこの倍の時間は逃げ回ってくれるぜ、自分から立候補したマゾの癖に絞まりの悪い尻の穴をしてやがるぜ」


「美月ちゃん!!」
 ゆめりあが戻って来た。
 その後ろには公認様の姿もある。
「よくも!!」
 怒りのオーラを纏った公認ヒロインが美月を犯していた征次を殴り飛ばす。
「先輩!!」
 ルナが美月を抱き抱える。
「「「変身」」」
 それぞれの言葉で変身する戦隊ヒーロー達。
「あなた達相手に手加減はしない!」
 同人誌の中のキャラクターなのだから、問題無い。
 ゆめりあはそう言って不良達を次々と倒していく。
「うぁ……」
 美月の意識が戻って来る。
「公認……様?」
 目の前で戦っている戦隊ヒーロー達にある意味感動する。
「違いますよ。」
 ルナはそれをアッサリと否定する。
「アレは、ゆめりあさんの大それた力です。」
 アキバレンジャーの大それた力、大いなる力『妄想癖』で呼び出した戦隊ヒーローだと説明する。
「そう……」
 痛む体を抱き抱えるようにしてフラフラと立ち上がる。
「重妄想!」
 美月はそのまま変身すると、逃げようとしていた征次に更に蹴りを叩き込む。
「ぐはぁ!」
 派手に吹っ飛ぶものの、大した怪我をしないリーダー。
「なるほどね……」
 普通の人間では無いから、最初の攻撃が効かなかったのだと納得する。
『ファイナルウェーブ』
 背後で不良達が爆発と共に消える。
「あなたには聞きたい事があるんだけど。」
 美月が顔を近づける。
「俺にかよ?」
 征次がその場に座り、正面を向く。
「ヨコザワルド、その名前に心当たりはない?」
 美月の背後から伸びて来たゴウカイサーベルを頬に当ててゴウカイイエローが聞く。
「何処にでもいるのさ」
 観念した訳でも無さそうに征次が答える。
「意味が分からないわよ」
「それが正解なんだから仕方ねぇだろ? おめえぇも浣腸しちゃうぜ」
「うっさい、さよなら」
 変身を解いたルカがサーベルを振るうと、征次がチリとなって消え、大気に溶ける。
「え?」
 戦隊ヒーローが光となって消えていくなかで、それでも何人かのヒロインはそのままそこにいた。
「ここが、今回の騒動の大元の世界……」
 トッキュウ3号のミオ、同じく5号のカグラ。
 キラメイピンクの大治小夜、グリーンの速見瀬奈。
 バスターイエローこと宇佐美ヨーコ。
 そして、ゴウカイイエローのルカ・ミルフィー。
「え? 何で?」
 美月は混乱してヒロイン達とルナを交互に見る。
「実はですね……」

「やっぱり美月ちゃんを助けに行く。」
 亜沙子を彼女の家に送り届けた2人は、犠牲になった美月を助けに行く事を決めた。
「でも、あの不良達は強かった……私達だけで勝てるのでしょうか?」
 ルナの意見はもっともだった。
「大丈夫にゃ。」
 ゆめりあが胸を張る。
「変身して本気の攻撃をすれば、アイツらは消えるはずにゃ。」
 さらっと恐ろしい事を言う。
「え?」
 ルナが焦る。
「彼らはこの同人誌世界のキャラクターだから、本気の攻撃で倒しても大丈夫。」
 殺人にはならないと説明する。
 そして本気の攻撃、大それた力を使う為に、今まで渡されてきた大それた力を確認して、作戦を立てる。
「トッキュウジャーのイマジネーションにキラメイジャーのキラキラ……」
「公認様を私達の妄想力で召喚出来れば……」
「まったく、仕方ないわね。」
 2人の背後から女性の声が聞こえてくる。
「あなた達は!?」

「と言うわけで、私達もこの本の中に入って来たのよ。」
 ミオ達はイマジネーションの力、小夜達はヒラメキの力、ヨーコはアバターとなり、そしてルカはトッキュウジャーに変身してイマジネーションを駆使して本の中に入って来たと言う。
「現実世界でも異変が発生しているようだし、さっさとケリをつけるよ。来たみたいだし」

 本の世界の中にる全ての凌辱者を倒し終った時、大気に溶けた全てのチリがみんなの前に集まって来て、形をなしていく……
「ひひひひ、何をしても儂には利きはせんと言うとろうが」
 正体をあらわしたヨコザワルドには通常攻撃はもちろん、ツーカイバズーカなどの必殺技さえ効かなかった。
「この世界はワシの世界じゃ、効くわけなかろうて。」
 ピンチに陥る公認様達、徐々に変身が解除されていく。
「それじゃあ、これならどうにゃ!!」
 アキバレンジャーの大それた力を合体させて作る攻撃兵器。
「「「ダイソレスギタキャノンバズーカ」」」
 元々持っていたデカレンジャー、ボウケンジャー、ジェットマン、ダイレンジャー、ジュウレンジャー、ハリケンジャーの大それた力。
 今回新たに手に入れたライブマン、パトレンジャー、ルパンレンジャー、ニンニンジャー、カクレンジャー、キラメイジャー、ダイナマンの大それた力が超巨大バズーカとなる。
「「「ダイソレスギタキャノンバズーカファイヤー」」」
 青、黄、青の二色の光弾がヨコザワルドに撃ち込まれる。
「効かぬと言うておろうに……」
 呆れた感じのヨコザワルドに攻撃がクリーンヒットする。
「グハァ!」
 そして、その効果は絶大だった。
「何故じゃ!」
 慌てるヨコザワルド。
「同人誌は妄想の集合体にゃ。なら、より強い妄想力で上書きすれば良いにゃ!」
 同人誌を描いているゆめりあが、そのまま同人誌とは何かを熱く語り出す。
「私達だって妄想なら負けない(ません)!」
 そんなゆめりあを放置して新旧アキバブルーが決める。
「イマジネーションのは無限なのよ!」
「ヒラメクィーーーーン!」
「だ、そうよ。」
 この場にいる公認ヒロイン達も、それぞれ名前は違うが妄想力を力に変えて戦う事が出来るヒロイン達だ。
「ちゃんとピンチ演出もしたし、手順は完了にゃ」
「さぁ、覚悟しなさい!!!」
 最後の美味しい台詞は美月に回ってきた。