「いまもっふんは、凄い高値でも売れるんだよ、ましてや動くもっふんなら」
「これは転売というよりも、著作権侵害では?」
「なに言ってるんだよ、儲からないとイシャバーナの奴から薬買うのに金が足りないぜ!」
 転売屋のいう事も一理あった。
『馬もどき』としての効能なのか、もっふん等身大ぬいぐるみの中いっぱいに生れたばかりのその生き物は浸透していく。
「よし!」
「あれを売っちまうという事は俺が飼う分が無くなっちゃうから、もう一回よろしく頼むぜ」
「え? いやぁあああああああ」
 美月の背後で『馬もどき』は再び犯る気満々になっていた。