ゴーミンは無言であるものを手渡す。目が嘲笑していた。
 弥生は手渡された首輪を自ら着ける。低い機械音が首輪のロック機構を動かしたが、弥生には自身の可能性を閉じる地獄門の閉じる音にも聞こえた。

 ブーツを履く事も許されず全裸のまま秘密基地を連れ出される弥生。
 素足に海岸の砂の感触を、全身に潮風を感じながら前を向きただ無心に歩く。歩く事に集中しないと涙が溢れてしてしまいそうだった。
「どこまで……歩くの……?」
 そう口にした瞬間、目の前に扉が開く。巧妙なステルス迷彩で見えなかったが、そこには巨大な宇宙船が屹立していた。
「入るゴー」
 船内に誘導された弥生は白を基調とした無機質な部屋へと入れられた。
「ココに立つミン」
 壁向いに立たされ、指示されるままに低い位置に両手をつく。