〜プレズオン秘密研究所・指令室〜
「おじいちゃん、プレズオンの調子はどう?」
「うむ、バッチリじゃ。獣電戦隊の様子はどうじゃ?」
「ゴールドさんも加わって、絶好調みたい。ダイゴさんも……モゴモゴ」
「んんっ? 何じゃ? しかし『鉄砕の試練』もまだなんじゃろ? 」
「うん、あの人手加減無しみたいだし……不安。」
「ん……大丈夫のようじゃな? とにかく頼むぞ。」
「う、うん。おじいちゃんも気を付けて。」
 プチッ
「ふう……」
 通信を切って伸びをする弥生。
 オペレーターシートを囲む何十というモニター。
 その大部分にはダイゴの写真と情報が表示されている。
「ふふっ」
 浮遊するダイゴの顔を見てほほ笑む。

 そのとき秘密基地の警報が鳴り響いた。モニターの全ての表示が赤い「WARNING」表示となる。

「デーボス軍?! まさか」
 弥生の操作でモニターの表示が赤から扉を爆破した侵入者の映像へと切り替わる。
「何者? データ検索……ザンギャック? 滅んだんじゃないの?!」
 通信機に手をかけようとするが、一考する。
 キョウリュウバイオレットの存在はトリン達の指示でダイゴたちにまだ秘密にしている。
 ここで弥生が助けを呼ぶわけにはいかない。
「初めてだけど……やってみる!」
 指令室のデスクに置いてある白いガブリボルバーと銀色の獣電池を手に取る。
『ガブッリンチョ=プレズオン』
 無機質な電子音が鳴り響く。
「ファイア!!」
 慣れないステップでガブリボルバーを天に向け発射する弥生。
「キョウリュウ〜バイオレット・コピー!」
 姿形こそキョウリュウバイオレットだが紫ではなく全身白銀の戦士が現れる。
 研究途中で開発したコピー獣電池と試作品のガブリボルバーで変身したのだ。

 ガブリボルバー連射。パンチ。キック。ゴーミン隊相手に善戦する弥生。本来戦闘員ではない弥生がここまで戦えるのも複製とはいえ獣電池=プレズオンの力が大きい。しかし一体一体の戦闘力は低くても数に任せたゴーミンの猛攻に押され気味である。
刹那、弥生の視界に赤いランプが点る、そして警告音。

『Alert!! Alert!! Run out of ENERGY! 3.2.1……purge……』