ズン

 段差か木の根かディノチェイサーのタイヤが弾む。
 そのショックはそのままバイブが弥生の身体へと伝える。

「うぐっ!」
 子宮を殴られたような痛みに声が出る弥生。

 さらに追い打ちをかけられる
 2本のバイブから突起が出現し、弥生の中で歪な回転を始めたのだ。

「うぅ……ああっ!? ……あ、あ、ああ……んくっ……」

 弥生の身体を中から引き裂くように動く2本のバイブ。さらに地面から響く振動が弥生の意識を焦げ付かせる。

「あ……、ふぁ……」
 ピシッ
「きゃっ?」

 肘に刺激が走る。
 見ると木の枝が当たったらしい。
 一瞬で弥生の思考が冷える。
 ディノチェイサーは森の中を疾走している。当然何かに衝突する可能性はある。事前に防御態勢がとれていればよいが、それができなければ……恐怖が思考を支配する。
 グン
 急な方向転換にバイブが引っ張られ、胎内で快感がざわめく。

「くっ、くあぁぁぁぁぁっ」

 快感と恐怖のせめぎ合いで頭が真っ白になる。
 また、意識が飛んでしまいそうになる。

 キュッ

 弥生の手を握る力強い手。

「ゴメンね、弥生ちゃん……ちょっと休んでたよ……」

 アミイが申し訳なさそうに笑う。

「アミィさん……」

 握り返す弥生の手にも力が入る。

「負けないよ、絶対!……あっううん」
「はい!……ふぅうん」

『意外と余裕じゃのぉ? ヒヒヒ』
 弥生の眼鏡の片側にヨコザの姿が現れる。
『どうじゃ、ワシの開発したディノチェイサーの乗り心地は? 両孔にズンズンくるじゃろぅ? ヒヒヒ』

「こ……こんな獣電池の、アッ、使い方……認めないんだから」
 弥生は喘ぎながらもつぶやく。

『お前たちのブレイブで動いとるからの。ヒヒヒ、空になるまでお楽しみじゃ』
「そ……そんな!?、ヒッ」
「……何か言われたの?……クゥッ」
 息も絶え絶えなアミィ。
「……このバイク私たちの、オぉッ、ブレイブを吸収して動いてるって……」
 刺激に次第に顎が上がる弥生。