「俺は、このまま地下の大荷物をやっつけてくるから」
「分かったわ兄さん、私はこの階と二階の小物を処理しておきます」
「よろしく!」
勢いよく駆けだしていく兄さんの後ろ姿に、もう夫の姿は重ならなくなった。
それ以前に、兄さんの活動力と営業力のおかげで『なんでも屋まるふく』の商売は軌道に乗っていた。
「潰さなくて良かった……」
優子も今日は兄さんと同じ場所で、同じ仕事だった。