「あっそびましょ!」
 玄関から、子供の元気な声が聞こえてくる。
「どうぞ、うわ」
 声を駆ける前から元気な子供たちが上がってくる。
「理香ちゃん、公園でかくれんぼしよう!」
「うわぁ お母さん、行って来て良い?」
 子供が元気に外で遊ぶのは良いことだって思っている。
「とうぜん」
「やったぁ! 行こう」
 そう言って、理香が振り向いたのと同時だった。
 ジーーーーーーッ
「え?」
 優子のデニムのチャックが下ろされて、股間のピアスがこぼれていた。
「君たち!」
「これ、今日の整理券ね」
 理香の同級生の手に、見慣れた整理券が握られていた。
「俺たちも高学年に入ったしさ、興味あるんでおばさんよろしくね」
「おいおい、奥さんって言うのが約束らしいぜ」
「そうなのか、でもおばさんじゃん」
「こんな事、やめなさい」
 頭が混乱していたけど、止めさせないと大変なことになる予感があった。
「良いんだぜ、理香で勉強しても」
「それはダメ!」
 ここでも、そう言う脅しが使われるなんて。
「おばさん慣れてるんでしょ? 理香と公園行った奴らも整理券持ってるからさ、分かるよね」
 優子は、全身の力が抜けていくのを感じていた。