「まずは脱がす!」
 一斉に飛びかかって来ているようで、連携が悪いから、目をつむっていても避けられる。
「ここは往来ですよ、そういう言動は控えた方がよろしいかと」
「え?」
「なに?」
 男子たちには霞が一瞬で消えたように見えただろう。
「ちっ、忍術を使ったのか?」
「いいえ、使っていませんよ」
 使ったのはどちらかと言えば体術、ただ隙のある場所を通り抜けただけだ。
「本当にこう言うのは、感心しませんね」