「いつまでも、上から言ってるんじゃねぇよ!」
 さっきまでは、全部見えていた男子学生の動き。
 身体の奥から湧き出す感覚に視界には靄がかかり、自分の手足すら思い通りに動いてはくれない。
「あ!」
 気配すら、読みとりきれず背後から手を捕まれると……押さえていたピアスは一気に暴走して、霞を翻弄する。